創刊の辞


創刊の辞
代表・藤代美代子
 『まろうど』は走り出しました。終着地は未定です。
 私たち『まろうど編集部』は、若い世代による批評の可能性と拡大を信じ、『まろうど』を発動させようとしています。
 特に、既存の雑誌機関が批評の対象として、積極的には取り上げてこなかったエンターテイメントやライトノベルと呼ばれる小説群について、語られるべき無限の可能性を私たちは感じています。いや、単にエンターテイメントやミステリやSFというものは語られ続けてきていると思いますが、ライトノベルと呼ばれる小説群については、オンラインを除けば、殆ど皆無と言って良いのではないでしょうか。
 そこで私たちは、現代文明の利器であるオンラインを活用することで、文芸批評(ライトノベル)の新しい可能性とその拡大を目指した活動を始めたいと思っています。とはいえ、あくまでオンラインは活用するだけです。文芸の基本は紙とペンだと私は考えていますし、私自身、率直に言ってこういったものに精通しておりません。現時点では、オンライン文芸マガジンですが、いずれは同人誌・商業誌へと発展させていきたいと思っています。
 また、文芸を批評するだけでなく、創作することにも『まろうど』は積極的です。「批評・議論によって広がった視野を用いて創作をし、その作品についてまた批評し合い、更なる高みを目指し、より優れた創作を……」というサイクルで活動していく方針です。
 これらの活動の一環として、私たちは全国の大学などにおける文芸サークルの紹介、ならびに各サークルが発行している文芸誌の批評をしていきたいと考えています。私たちと同世代であるサークルの方々が、それぞれ何を読み、何を書き、何に興味を持っているのかを調べ、批評し合うことは、文芸が持つ新しい可能性の一つである。そう確信しています。
 「若い世代による文芸の開拓」が私たち『まろうど』のテーマですが、上の世代の方々も勿論歓迎いたします。ここでは、皆様一人一人、すべての人たちが等しく待遇されるべき客人=まろうどです。多人数で考えを言語化し、互いに論じ合うことで、文芸の道は切り開かれていきます。
 長々とは難しいことは言いません(言えません)。でも、代表は難しそうなコトを言わないと不可ないようです。頑張れ、自分。具体的なシステムに関しては、編集長に下駄を預けたいと思います。
 色々と未熟で至らないところだらけではありますが、編集部一同全力を上げて精進致しますので、叱咤激励の程、よろしくお願い申し上げます。

システムの紹介
編集長・秋山真琴
 編集長の秋山真琴です。
 本誌のシステムに関して説明させていただきます。
 現時点における、まろうど編集部の目標は、本誌の商業誌化です。平易な言い方をすれば、出版社を立ち上げ、直販でもいいから書店に自分たちの作った雑誌を並べようということです。しかし、商業誌化に至るまでは幾つかの弊害があります。それは例えば我々の雑誌界に関する知識や、資金の少なさであるとか、我々自身の能力の低さなどです。
 そこで商業誌化という目標に至る通過点として、我々はまずアマチュアの世界でスキルアップに励むべきだという結論に達しました。具体的に言えば、ブログやホームページの運営や、同人誌の頒布などです。まずは地道な作業で本誌の水準を上げつつ、我々の名前を広めようということです。
 地道な作業とは言え、それらは適当に行われるわけではありません。本誌の設立部員は、四人とも八十年代生まれです。経験も実力も、おおよそ足りているとは言いがたいでしょう。そんな我々が無作為に書き記したものを、無料や同人規格であれ一般に公開するのは気が引けます。そこで我々が導き出した結論は、ブログで連載したものの中で一定の水準に達しているものをホームページに掲載し、ホームページに掲載したものの中で一定の水準に達しているものを同人誌に掲載するというステップアップシステムです。
 今はまだ影も形もありませんが、いずれ、同人誌を見て興味を持ってくれた方が、ホームページを見て我々の活動の多様さを知り、最後にブログを見て、我々が現在進行系で活動していることを実感していただければと思います。
 以上、説明を終わります。